〜 生花 〜

生花は江戸時代中期に成立し、250年以上脈々と続く古流伝統の型を持ついけばな様式です。
ここでは、生花について詳しく見ていきましょう。

= 「天・地・人」の考え =

生花は3本の主線によって構成され、それぞれに【天・地・人】の意味が与えられています。

【天】は宇宙の中軸であり「導くもの」
【地】は天に対して「従うもの」
【人】は生あるもの全ての象徴として、天地両者を「和するもの」
と説かれています。

古流いけばなでは、

天=【真(しん)】
地=【受(うけ)】
人=【流(ながし)】


と呼び、不安定で危うい均衡とそれによって表現される空間の美しさを基調としています。




= 「真・行・草」の型 =

生花の形態には、漢字の書体の楷書・行書・草書と同じように、「真・行・草」の3つの形態があります。



【真型】

「本手生け」とも呼ばれ最も基本となる形態で、引き締まった厳正な美しさを表しています。



【行型】

≪受流しいけ≫、≪留流しいけ≫、≪中流しいけ≫の三態があり、
それぞれが情緒を感じさせる特徴を持ちます。



≪受流しいけ≫
「受」という役枝が伸びた型で、厳格な美しさが特徴となります。



≪留流しいけ≫
「留」という役枝が伸びた型で、軽妙な枝の動きが特徴となります。



≪中流しいけ≫
「流」という役枝が中段に位置する型で、流麗な枝の流れが特徴となります。



【草型】

「流しいけ」とも呼ばれるように、「流」という役枝が特に強調されて生けられます。
より柔らかく、鷹揚な伸びやかさがその特徴となります。




=生花の魅力=

ここでは初めての方でも「生花」の見方が少し変わるポイントをご紹介していきます。

①出生

②水際から立ち上がる美しさ



= 生花と現代のつながり =

伝統的な様式を持つ生花のようないけばなを「古典花」といいます。

古典花は床の間などの空間との調和を特徴としており「日本の美」として海外からの評価も非常に高い一方、
建築様式の変化に伴い現代の生活空間に床の間が減少したことで、生けて飾る環境が少なくなってきています。

しかし、生花の大きな魅力の一つに生けるまでのプロセスが挙げられます。

伝統的な型を、扱う植物の出生や特徴を見い出して生ける中で集中力を研ぎ澄ませることが出来ます。
昨今、企業が座禅研修などを設けるように

マインドフルネス

が注目されていますが「生け花」特に「生花」は同様の効果を得ることができます。

※マインドフルネスとは
「今ここ」にただ集中している心のあり方をさす。ストレス軽減・集中力アップ・直感、創造力の向上・自律神経回復などの効果が期待できる。


またいけばなの歴史や先人の知恵・技術を学べるのも古典花の魅力です。

生花は技術の追求だけでなく習う過程で得られるものが沢山あり、
まさに多忙な現代人だからこそ学んで欲しいいけばなの古き良き形だと思っています。